
高等学校の棋道部の囲碁部門を担当しています。慶應義塾大学時代に囲碁部に在籍していたことがあるのですが、そこで遊びとして、普通の囲碁のルールをアレンジしたルールで囲碁を打っていたことがありまして、その中の一つに「トーラス碁」というのがあります。碁盤全体を正方形ABCDとみなし、辺ABと辺DC、辺ADと辺BCがそれぞれつながっている、というものです(RPGの世界地図と同じで上へ上へと進むと下から出てくる)。これを引き伸ばしてそれぞれ実際に張り合わせると、数学的にはトーラスという曲面になり、日常の言葉でいうとドーナツ型になります。この碁では対称性によって、初手をどの点に着手しても本質的に同じになり、盤端のある普通の囲碁と違って、最初から最後まで空中でふわふわと戦っている気分になります。
たまたま囲碁の話しになりましたが、遊戯の範疇に限らずとも「日常生活に数学は必要ない」と考えるのではなく、「日常生活を数学によって面白おかしく、豊かなものにしよう」と考えるのがいいのかもしれません。
そんな思いで、最近は過ごしています。
担当教科:数学科 鈴木 悠葵 [2010年10月掲載]