
自分がフランス語を学び始めたきっかけ。それはまず、池田理代子さんの漫画『ベルサイユのばら』や『エロイカ』を読むなかで、フランスという国の壮大な歴史に魅了されたことでした。大学の語学でフランス語を選択した一番の理由もそこにあります。のちに、フロベールやモーパッサンらの諸作品、あるいはツヴァイクの評伝などに親しみながら、この国の言語を学んでいることの喜びを改めて強く感じたのでした。
なぜ異なる言語を学ぼうとするのか。自らを省みてまず思うのは、そのような問いかけに明快に答えるのはほとんど不可能であるということです。言語とは学ぶだけで完結するものではなく、本来的にそれを通じて多様な意思を伝え合うものであるはずだからです。本校の生徒は、じつに幅広い分野への関心を抱いています。ひとまずの私の務めは、これに「言葉からの視点」を加えて提示してみせることだと思っています。文学でも映画でもスポーツでも、異なる言語を通して初めて感じ取れることがあり、理解できることがあり、伝えられることがある。言語を学ぶ意味というのは、そんなことに少しずつ思い当たっていく過程そのものであるような気がします。フランス語に触れることが、生徒の関心を新たに刺激するきっかけとなるような、そんな授業を目指したいと思います。
担当教科:仏語 芹川 青甫 [2011年9月掲載]