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卒業生からのメッセージ

「自立」のための準備期間

現在、私は企業や大学・高校におけるTOEICの普及を通じて日本の国際化を推進することを仕事としています。出身校を担当するという会社の不文律のおかげで、10年ぶりに塾高訪問の機会を得ました。私の在学中にはなかった東横線通勤特急や、グレードアップした武蔵小杉駅に興奮しつつ日吉駅に到着。改札を抜け並木道を登りきった先に巨大なパルテノン神殿が登場。その荘厳な校舎を久々に見た瞬間、当時の記憶が蘇ってきました。ユニークな先生方のこと、北海道の修学旅行、部活での練習の日々。数え上げればきりがありませんが、塾高時代を一言で表現するならば「自由を得て自立しようとする三年間」でした。

高校入学まで人生の舵取りは親を中心とした周囲の意志に委ねており、自分もその委ねの状態を心地良く感じていました。しかし塾高入学後は急に周囲からの力が弱くなり、というよりほぼゼロになったのです。この状態を「自由」と感じたのです。自ら望んでそうなるのではなく、不意にパッと放される感覚に近いためそこには迷いや戸惑いが伴います。確かに一般に高校生ともなればこの種の感情は少なからずあるとは思いますが、塾高の場合はその度合いが強い気がします。それは慶應義塾の一貫校のひとつであること、全校生徒2,500名の大所帯であること、中等・普通部と受験組の混成であること、先生や学校自体が醸し出す気質・雰囲気などに因るのではないでしょうか。

私はこの「自由」から生まれる迷いや戸惑いを「自立」へのパワーに変えようと努めました。ここでの自立とは金銭的に自立するということではなく、「物事を自分で考えて決める」ということです。また、それは周囲をシャットアウトするということでもありません。むしろ積極的に周りに耳を傾けて知識量や選択枝を増やし、ただし最終的なところでは自分自身で決定する、ということです。私も社会人になってから様々なタイプの方々と接してきましたが、自立できている方と出会ったときの感動は大きなものがあります。しかもそのような方は概ね人生にポジティブで未来志向であるため、長く関わってゆきたいと思わせてくれます。

在学中に完全に自立できなくても、自分で考えて決めることができる、その姿勢作りに励んでもらいたいと思います。履修科目の決定、部活のマネージメント方法の考案、日吉祭の企画・立案、進路の選択、そのチャンスは塾高に溢れるほど用意されています。

塾高ライフをどうか存分に満喫してください。
そして近い将来、卒業後の皆様とお会いできることを楽しみにしています。

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慶應義塾高等学校